宅建試験・合格のコツ 宅建業法

presented by 宅建倶楽部

コツを話す前に
宅建業法は民法より先に勉強することを,強くオススメします!
(理由)
1.
宅建は不動産屋さんの試験であり,不動産屋さんに一番必要なのは宅建業法です。
民法では決して有りません。
2.
したがって,「民法は宅建業法を理解するための手段に過ぎない」と考えるべきです。
もし,「民法を理解するために民法を勉強する」と考えると,とんでもない迷路に迷い込んじゃいます。
民法は膨大な法律であり,1年や2年の勉強でマスターできるほど甘くないです。
3.
実際問題としても,民法を先にやると「民法でエネルギーを使い果たしてしまう」受験者がすごく多いのです。
これは,宅建の勉強が長続きしない最大の要因となっています。
4.
民法は,合格者でも半分しか正解していないのが平均です。
それに対して,宅建業法は満点を目指すべき科目です(合格者で宅建業法満点はザラ!)。
つまり,民法での失点より宅建業法でのそれのほうが,数倍も命取りになります。
したがって,宅建業法で命を落とさないためにも,「宅建業法は民法より先に勉強する」というのが,昔からのオーソドックスな受験技術なのです。

【コツ1】
なぜ宅建業法なんていう法律があるかを知る

1.
宅建業法は,お客さんを保護し,取引をスムースにするためにあります。
2.
宅建業法は,不動産屋さんを保護する法律じゃないので注意して下さい。

【コツ2】
宅建業法の骨組みを知る

1.
宅建業法の骨組みは,道路交通法規とソックリです。
国民の90パーセント以上が運転免許を持っている時代,運転免許を持っていなくても自動車に乗ったことがない人はいない時代ですから,「なんだ!宅建業法なんて道路交通法規と同じ骨組みじゃないか!」ということを知っていると,宅建業法の理解がスゴク早くなります。

2.
道路交通法規は,「交通秩序を保つために」次の決まりを定めています。

A.
自動車を運転するために必要なもの
 
  イ.
免許を持っていること
  ロ.
危険物運搬車(タンクローリー)を運転するときは危険物取扱者を乗せていること
  ハ.
事故に備えてそれを最低限保証する担保(強制保険)があること
B.
自動車を運転する者に対する規制
これには駐車禁止・制限速度の定め・右折禁止などイロイロなものがある

A.とB.を守らなかった運転者に対する処罰
 
  イ.
行政処分(別名,監督処分)
…運転免許取消・運転免許停止など,行政機関(公安委員会)が行う処罰
  ロ.
罰則
…酒酔い運転・無免許運転など重大な交通違反を行った運転者に対して罰金・懲役にするなど,司法機関(裁判所)が行う処罰

3.
宅建業法は,「お客さんを保護し,取引をスムースにするために」次の決まりを定めています。

A.
宅建業をやるために必要なもの
 
  イ.
免許を持っていること
  ロ.
宅地建物取引主任者がいること
  ハ.
事故(倒産)に備えてそれを最低限保証する担保(営業保証金など)があること
B.
宅建業をやる者に対する規制
これには,重要事項の説明義務・媒介契約の規制・報酬額の制限などイロイロなものがある
C.
A.とB.を守らなかった宅建業者に対する処罰
 
  イ.
行政処分(別名,監督処分)
…宅建業の免許取消・宅建業の免許停止など,行政機関(知事や国土交通大臣)が行う処罰
  ロ.
罰則
…重大な宅建業法違反を行った宅建業者に対して罰金・懲役にするなど,司法機関(裁判所)が行う処罰

4.
どうでしたか?
上の2.と3.を比較してみると,道路交通法規と宅建業法の骨組みがいかにソックリかが,お分かり頂けると思います。

【コツ3】
宅建業の意味を常に意識して勉強する

1.
【コツ2】の3.で書いたことを逆に言うと,
・宅建業をやらなければ,免許・宅地建物取引主任者・営業保証金はいらない
・宅建業をやらなければ,イロイロな規制はない
・宅建業をやらなれば処罰はない
ということになります

2.
そこで,宅建業の意味が大問題になります。
正式には「宅地建物取引業」といいますが,これって何だ?ということです。
もし宅地建物取引業を行わないんだったら,宅建業法という法律の舞台に乗らないのだから,ある人が行おうとすることが宅地建物取引業に当たるかどうかは,宅建業法を勉強する時に常に意識していなければなりません。

3.
宅地建物取引業の意味についての詳しいことは,次の【コツ4】で説明します。

【コツ4】
宅建業(宅地建物取引業)の意味を分解する

1.
【コツ3】で書いたように,宅建業(宅地建物取引業)を行わないんだったら宅建業法の舞台に乗らないのだから,ある人が行おうとすることが「宅地建物取引業」に当たるかどうかは,とても重要です。

2.
宅地建物取引業の意味は,「A.宅地」「B.建物」「C.取引」「D.業」の4つに分けて押さえるのがコツです。

A.宅地 「現在または将来,建物の敷地関係の土地」か「現在,用途地域にある土地」のどちらか

※理由
…宅建業法は「取引」をスムースにするためにあります。
とすれば,すべての土地を宅地にする必要はなく,取引される可能性がある土地だけを宅地にすべきです。
建物の敷地関係の土地は,人が利用するので取引の可能性があります。用途地域は街の中なので更地でも取引の可能性があります。

B.建物 土地に定着する(ガッチリくっ付いている)工作物(人間が作った物)で,屋根と壁があるもの

※理由
…昔から雨風がしのげるものを建物としてきたという歴史があり,屋根と壁があれば雨風がしのげるという発想。

C.取引 次の8つのどれかを行う(行おうとする)こと
  (1)売買
自分名義で売買契約に直接タッチすること
  (2)売買の媒介
本人から頼まれて相手方を探し,本人に売買契約をさせること
  (3)売買の代理
本人から頼まれて相手方を探し,本人に代わって,売買契約をしてあげること
  (4)交換
自分名義で交換契約に直接タッチすること
  (5)交換の媒介
本人から頼まれて相手方を探し,本人に交換契約をさせること
  (6)交換の代理
本人から頼まれて相手方を探し,本人に代わって交換契約をしてあげること
  (7)貸借の媒介
本人から頼まれて相手方を探し,本人に賃貸借契約または使用貸借契約をさせること
  (8)貸借の代理
本人から頼まれて相手方を探し,本人に代わって,賃貸借契約または使用貸借契約をしてあげること

※理由1(どうして8つか)
…明治以来,売買・交換・貸借の3つの契約にタッチするのが不動産屋さんだった,という歴史があるからです。
その3つについて,それぞれ「自分名義」「媒介」「代理」という三形式でのたずさわり方があったので,理論的には3×3=9つになるはずですが,すぐ下で述べるように,単なる「貸借」(自分名義での貸借)は含めないので,8つになるのです。

※理由2(どうして単なる「貸借」は取引に含まれないか)
…宅建業法は取引を「スムース」にするためにあるからです。
世の中,単なる貸借を行う(自分名義で賃貸借契約などに直接タッチする)可能性が一番あるのは, 町の大家さん・町の地主さんです。その人たちが,世の中のほとんどのアパート・マンションや駐車場を供給しています。
それなのに,単なる「貸借」を取引に含めるとどうなるでしょうか。
宅建業法の舞台に乗るので,町の大家さん達がアパートやマンション等を貸すには,免許・取引主任者・営業保証金など必要になります。
これでは,アパート・マンション等の供給がうまく行かなくなり,取引を「スムース」にするという宅建業法の目的に逆行してしまいます。
だから,単なる「貸借」は取引に含まれないのです。

D. 宅地建物の取引を,「不特定多数の人に反復継続」して行う(行うつもりを含む)こと

※理由
…世の中には,運送「業」,金融「業」などイロイロな商売がありますが,どんな商売でも,「不特定多数の人に反復継続」して行うものなので,宅建業法は,それをそのまま取り入れたからです。
「不特定多数の人に反復継続」というのは,自分と同じ組織に属していない(身内でない)大勢の人,ということです

3.
以上述べてきた宅建業(宅地建物取引業)の意味は,宅建業法の本を開くと,どんな本でも一番最初に説明されています。
でも,私が説明してきたような理解がないと,意気込んで宅建業法の勉強を始めたはいいが,「最初からへこむ」ことになっちゃいます。【コツ3】も参照して,ここは絶対マスターしなければダメ。絶対に!

【コツ5】
似たような制度をちゃんと区別できるようにする 

1.
宅建業法には,まぎらわしい似たような制度がウント出てきます。
そこで,似たような制度をちゃんと区別できるようにすることが,とても大切になります。

2.
例えば,宅建業者も商売をやっている以上,免許を受けてからイロイロと事情が変わるので,お上(かみ)が宅建業者の現状を把握できるよう様々な制度が用意されています。
・免許換え
・変更の届出
・免許証の書換え交付申請
・廃業等の届出
・案内所等の届出
と呼ばれるものがそうですが,この5つは具体的にはどういうときにするのか,いつまでにする必要があるか,となると似たような制度であるため案外まぎらわしいです。

3.
こういう似た制度のまぎらわしさは,2.で述べた制度以外にもウントあります。
・「営業保証金制度」と「弁済業務保証金制度(保証協会制度)」のまぎらわしさ
・広告を開始する時期の制限」と「契約を締結する時期の制限」のまぎらわしさ
・「重要事項の説明義務」と「37条書面の交付義務」のまぎらわしさ
・「従業者証明書を備える義務」と「従業者名簿を備える義務」のまぎらわしさ
・「損害賠償の予定等の制限」と「瑕疵担保責任の特約の制限」のまぎらわしさ
など,あげたらキリが無いくらいです。


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